続いて70年リリースのキンクス9作目。これも好きな曲が多いアルバムだ。『ローラ』『エイプマン』『ラッツ』とどれをとってもおいしいが、実は何気に『パワーマン』が好きだったりする。イントロ最高!
この頃のレイ・デイヴィスのメロディへの言葉の乗せ方は英語の分からない自分にも天才的センスを感じさせる。『エイプマン』なんかその最高峰だろう。途中で語りが入るところなんかも痺れるなあ。
今回リマスターで聴くのは初めてなので、とても色んな音が聴こえてくる。『Strangers』の最後のドラムの音なんて「こんなに鳴ってたの?」と思うくらいだ。前作同様、アルバムを通してストーリーがあるようだが、曲の出来が上回っているので内容など分からなくとも充分に楽しめる。要するに初期キンクスの音楽業界とのゴタゴタを皮肉った物語のようだが、解説を読むまで自分は知らなかった。
絶頂期を記録した傑作と断言しておきましょう。