88年リリースの最終作。この辺まで来ると来るべきデヴィッド・バーンのソロ作のワールド・ミュージック志向に近づいてくる。
1曲目の『Blind』からしてカッコいいが、整理された拡大期を思わせて小気味がいい。もはやトーキング・ヘッズはロックバンドではなく、またトーキング・ヘッズでもないことを思い知らされる。当然解散してしまうんだろうな。『Mr. Jones』もラテン風でいい曲だ。その後もパーカッションが沢山入ったいいリズムの曲が並ぶ。
いいんだがトーキング・ヘッズではないので、その意味では遠くに行ってしまったような感覚も受ける。元々アフリカのリズムを導入した頃が絶頂期だったので、考えてみればこの志向もらしくはあるのだが、やはりデヴィッド・バーンの当時の嗜好が存分に発揮されたソロ作的な作品となっていることは否めない。他メンバーが「もうついていけない」となったのも頷けるというもの。というよりそうだったのかどうかは知らないが。とりあえずツアーはなかったようだ。
まあ、もういいんじゃないの、という感じもする。クオリティは決して悪くないのでこのまま行っても良かったとは思うが、デヴィッド・バーンとその他、という差がつき過ぎてしまったが故の解散だし、その後の揉め事、ということなんだろうと思う。
それにしても録音されたパリという場所は文化がハイブリッド化された面白そうな場所だ。一度行ってみたいなあ。友人はいるんだが行く金がない。