『Ass』

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74年リリース。これは若干他のアルバムよりCD化が遅れたのでアナログからの買い直しになる。冒頭の『Apple Of My Eye』から哀しげだが、基本的にバランスのとれたいいアルバムという印象を持っていた。その印象は変わらない。『Get Away』なんかも好きだな。『Icicles』もいい。ジョーイ・モランドもこの頃になるといい曲を書き始める。後半頭角を現してくるなんて、ジョージ・ハリスン鈴木茂みたいだ。

『The Winner』と『I Can Love You』のみトッド・ラングレンのプロデュース。この路線でいけば『Straight Up』パート2が出来たんだろうが、前作のクレジットで揉めてトッドは去ってしまったそうだ。勿体ないなあ。かつ、このアルバムを最後にバッドフィンガーはアップルを離れてワーナーに移籍。その契約も詐欺まがいだったようで、ピート・ハムはその辺が原因で自殺してしまう。悲しい、悲し過ぎる。聴いていて悲しいのはビーチ・ボーイズも同じだが、バッドフィンガーの場合音がキラキラしているので余計悲しくなってくる。

『When I Say』は1stの頃みたいな青臭さがいい意味で復活している。トム・エヴァンスも自殺してしまうなんて・・。どうしてなの?と当時のファンは嘆いただろう。先日聴いたキンクスじゃないが、音楽ビジネスの波に巻き込まれてひどい目にあったんだろうと思うし、そこに耐え切れなかった結果ドラッグや死といったものと隣り合わせになっていくんだろうな。煙草や酒くらいで留まればいいのになあ。

ということでバッドフィンガーのアップル時代を一日でおさらいしたが、やっぱり後半の方が自分は好きだ。経緯を知るとどうしても悲しくなってしまうが、単純に時間軸で完成度が上がっていくので聴いていて気持ちがいい。やっぱり3rdが一番、という思いは今回も変わらなかった。ただ『Ass』も結構いいので、これから聴き込んでみようと思う。