ローラ・ニーロ『Angel In The Dark』

f:id:tyunne:20181021094852j:plain

没後に発売された94年、95年に録音されていたラスト・レコーディング音源の発掘盤。1曲目のタイトル曲からいきなりいい。ラスト作の『抱擁』が充実作だったので当然と言えば当然だが、これは早く聴くべきだった。

 

一説によると『Gonna Take A Miracle』第2弾の話もあったというから亡くなったのが益々惜しいが、この編集盤を聴くだけでも良さはひしひしと伝わってくる。キャロル・キングの『Will You Still Love Me Tomorrow』はライブかなんかで聴いたような気がするが、こちらのアレンジもいいですね。渋くてカッコよくて美しい。94年録音の曲には何と元フィフス・アベニュー・バンドのピーター・ゴールウェイがプロデュースを手伝っている。シュガーベイブの憧れの的だった人ですね。

『Sweet Dream Fade』もいい。95年録音の方は確かな演奏力に支えられた好トラックが続く。ブレッカー・ブラザーズも参加してるじゃないですか。凄い人、ローラ・ニーロ。声が強い。『Be Aware』はバカラック。これもピーター・ゴールウェイのプロデュース力が光る。途中の展開は鳥肌モノだ。

しかし『Ooh Baby, Baby』や『La La Means I Love You』までやってるじゃないですか。トッド・ラングレンの『A Wizard, A True Star』でのメドレーみたいだ。さすが同胞、というより師匠か。師匠はキャロル・キングかな、やっぱり。この辺はひと繋がりで繋がっている。それにしても『Ooh Baby, Baby』のアレンジは渋い。ZAPPとはまた違った魅力があるな。『La La Means I Love You』も泣ける。天才ですね。カバー曲を完璧にオリジナル化してしまうという意味では矢野顕子と双璧をなしている。