サニーデイ・サービス『MUGEN』

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99年リリース。前作『24時』の大作路線から一転、コンパクトにまとめた粒揃いの楽曲群。『スロウライダー』は聴いたことがある。

 

この後の『LOVE ALBUM』で一旦解散してしまう訳だが、そうとは思えないほど音が充実している。『恋はいつも』なんて『東京』の頃のようだ。曽我部恵一のボーカリストとしての覚醒などと言われていたりもするが、音色として考えるとより密室的でかつグルーヴがある。これはいいアルバムだな。『空飛ぶサーカス』もいい。

ローファイな感覚が強いのは何故だろう。弦のピッキング音やパーカッションの音も生々しく切り込んでくる。この頃こんな感じだったっけ?思い出せないなあ。試しに99年10月発売のアルバムを見てみるとベックの『ミッドナイト・ヴァルチャーズ』やハリー&マックの『ロード・トゥ・ルイジアナ』なんかがあった。同年にはナンバーガールのライブ盤も出ている。なるほどローファイだな。『オディレイ』以降のヒリヒリした感じが伝わってくる。混沌の後に整理する感覚は世紀末を見据えてのものだったか。

今になって聴いてみると曽我部恵一のソロ作といってしまってもいいくらいの佇まいだが、そこは再結成で確認された使い分け、要は青臭さだ。いきそうでいけない寸止めの感じとでも言おうか。いずれにしろ楽曲の良さがすべてを救ってくれる。『真夜中のころ・ふたりの恋』もいいねえ、グルーヴィーで。

また雪が降ってきた。今日は寒いな。