ニュー・ミュージック『Anywhere』

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81年というのはYMO関連では特別な年で、『BGM』や『テクノデリック』に加えて坂本龍一の『左うでの夢』や高橋幸宏の『ニウロマンティック』、ビートニクスの『出口主義』等の錚々たるタイトルがリリースされている。その高橋幸宏が『ニウロマンティック』でゲストに招いたトニー・マンスフィールドがいたグループがこのニュー・ミュージックだ。

先日聴いた冨田恵一のi-Radioで81年特集をやっていたが、そこでかかっていた『Area』という曲がコーネリアスの『Star Fruits Surf Rider』の元ネタっぽかったので、これはと思いチェックしていたのがこの2nd。

 

トニー・マンスフィールドの音色は非常に繊細かつきらびやかで、叙情性も併せ持った希有なものだ。その本領が発揮されたのはキャプテン・センシブルのプロデュースで、「Glad It's All Over」 がラジオでかかった時には一発でノックアウトされた。

 

で、このアルバムだが、第一印象は「初々しい」というもの。過度に暗くも明るくもなく、結果的に地味でも派手でもないという、いかにもヒットしなさそうな感じ。そこがまたいいんだろうなあ、きっと。CD化要望も当時殺到したようだし。とても品がいいアルバムのように思う。楽曲単位というより「時代」としてトータルで聴くべき作品。