ザ・ビーチ・ボーイズ『BEACH BOYS '69 (Live In London)』

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ビーチ・ボーイズは『スマイル』の挫折以降ブライアンが表に出てこなくなってしまった時期があるが、その頃に全米で絶不調、全英で絶好調という対照的な状況を呈していた。これはその時期のブライアン不在、かつ英国で絶好調時の68年末のライブ。スタジオ録音盤はほぼ揃えていたが、ライブ盤は見逃していた。

ビーチ・ボーイズを聴き始めた頃は『ペット・サウンズ』以降の再評価ブームで、スマイル伝説やブライアン不在時の暗黒時代といったイメージが根強く、こうしたアルバムにスポットライトが当てられることなどまずなかったが、それはきっと違うと思う。何故かというと曲がいい訳だし、ライブ演奏でのエネルギッシュな音はブライアン不在を補って余りある躍動感を生み出しているから。60年代後半から70年代初頭にかけて、すなわち73年の『オランダ』くらいまではとてもいい曲がブライアン以外でも出てきている時期で、聴き逃しは厳禁だと思う。特にライブ盤はベスト的な意味合いもあるので、買い逃していたのは失態だった。

で、このライブ盤、ブラスも入っていい演奏。大好きな『Bluebird Over The Mountain』も入っているし、『Wouldn't It Be Nice』や『God Only Knows』も演奏してくれている。『Good Vibration』の盛り上がり方は尋常ではない。人気あったんだなあ、やっぱり。これは73年の『ビーチ・ボーイズ・イン・コンサート』も聴かねば!