大滝詠一『ナイアガラ・カレンダー’78』

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77年年末リリース。ここで久しぶりの正規タイトルが来た。このアルバムは81年盤が最後に控えているので音の聴き比べは後日。買い直しになるが、持っていたのは81年盤だな。

1年間を一月づつ曲にしていく趣向のアルバムで、それぞれの季節テーマに沿った楽曲が並んでいる。この周辺が企画ものに囲まれている分普通に聴こえるが、『ナイアガラ・ムーン』の濃密さに比べて緩くなってきた感もあり、かつノベルティでもあるということで今このタイミングで聴くと意外と普通に聴こえてしまう。というより『ロング・バケイション』に繋がっているんだな。ボーカルものへ延長線が引けるというか。深読みを呼ぶイシューがそこかしこに散りばめられているが、音楽として素直に聴くとインパクトは少ない。『お花見メレンゲ』がうまい、と思うくらいか。後は『Blue Valentine's Day』『真夏の昼の夢』といったメロディアスな曲が目立ってくる。音頭や演歌、サーフものといった周辺時期の要素が楽曲にこめられているのもポイント。バラエティがある。でもちょっとなあ。小粒な感じがする。そこがのめり込めない理由なのかな。名刺代わりの一枚といったところか。

『お正月』は初めて聴いたかも。ドゥーワップがいいですね。何となく年末年始に聴いた方がしっくりくるアルバムかもしれない。1年を振り返りながら。