ザ・ハイ・ラマズ『Talahomi Way』

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4年ぶりの新作。前々作より続くオーガニック路線は前作の『カン・グラッダーズ』である程度の完成を見たように思うが、そこを更に追求したとても美しい作品。細野晴臣もそうだが、ブライアン・ウィルソンの影響下にあるアーティストが今世紀に入って放っている作品はどれも独自の立ち位置を確保して徹底して静かで綺麗だ。隠居気味の風貌から紡ぎ出される音は反面強さを讃えてしっかりと地に根を下ろしている。

 

1曲目から勿論いいが、中盤『Talahomi Way』『Fly Baby, Fly』へと流れていくポップな佇まいはどうだ。転調も多いし展開も結構複雑だが、穏やかに包み込む音がそれをあまり感じさせない。インタールードや曲の端々に電子音が散りばめられているのが多少の変化を感じさせるが大きな流れはこれまでと変わらず妙なノスタルジアを感じさせる独特の世界観で貫かれている。30分強という収録時間の短さも今時珍しいコンパクトさだ。

ジャケットもいいね!