フリート・フォクシーズ『Helplessness Blues』

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3年ぶりの2nd。何と清涼な世界。無国籍な音に包まれて何とも言えない幸福感に浸ることが出来る。

英国トラッド+ハーモニーということでフェアポート・コンベンション+ブライアン・ウィルソンといってしまえばチープだが、何故このバンドに鈴木慶一が即反応したのか分かるような気がして来た。初期ムーンライダーズも無国籍だったもんな。それにしたって『Sim Sala Dim』あたりのギターの斬り込み方といったら・・。目が覚めるような展開に鳥肌が立つ。表題曲も荘厳で綺麗でとても素晴らしいと思う。

 

曲展開がドラマチックだ。『The Shrine / An Argument』なんかもそうだがリズムが途中で変わるし、交響曲のような音群、コーラスも複雑に絡んでくる。それでいて佇まいは穏やかで決してマニアックではない。まだ20代の若さで髭面の風貌、どこかザ・バンドを思わせるが、こんなグループがシアトルから出てくるというのはどういったことなんだろうか。シアトルには一度だけ行ったことがあるが、町並みも綺麗で海沿いの素敵なところだった。カナダに近いというのもあるが、港町ならではの開かれた感じと綺麗な家の数々が印象に残った。イチローの看板よりも。

で、このグループが世界中から支持された理由。そこがよく分からない。端的に世界は捨てたもんではないと思うに留める。