ジョニ・ミッチェル『ミンガス』

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79年リリース。チャールズ・ミンガスとの共作であり、制作中に亡くなってしまったため追悼作でもあるシビアな作品。これはやはりポップ・ミュージックの枠組みを超えてしまっている。

確か実家近くの古本屋で安く売っていたのを買ったように記憶しているが、その張りつめた雰囲気に圧倒されたものだ。『God Must Be A Boogie Man』での間を使った演奏、斬り込んでくるギター、前回も書いたようにこれはスティーリー・ダンの『ガウチョ』での『バビロン・シスターズ』のようで、ヒリヒリした緊張感が伝わってくる。これまでのアルバムはどれもそうは言ってもポップ・ミュージックの領域に収まっていたが、この作品ではほとんどジャズ。チャールズ・ミンガスの作品に詞をつけているんだから当たり前か。でもトータルでの完成度の高さが聴く側の敷居を上げてしまっているのは間違いない。かといって他もあり得たのか、というとそうでもない。存命中に完成していたら変わっていたのかもしれないが、途中まで作っていたんだから恐らく同じだろう。それにしても大物を仕留めたものだ。

このアルバムでジョニ・ミッチェルの最盛期、ジャズの時代は終り。集大成のツアーを行い『シャドウズ・アンド・ライト』で結実する。昨日そのライブのDVDを改めて見たが、やはりジャコ・パストリアスの異常な天才ぶりが目につく。でもそれだけではなくて普通に曲がいいので、この時点でジョニ・ミッチェルは生ける伝説となったような趣がある。一転、この後トーマス・ドルビーをプロデューサーに迎えて打ち込み系の音に向かっていくが、そこが一段落した『風のインディゴ』以降、更なる高みに達した感があるので、やはりゲフィン・イヤーズの作品も聴いてみようかと思う。何となく停滞感を感じていたので避けていたが、やはりその後の動向は気になるというもの。しかしその前に初期の5枚だな。ああ金が・・。