スコラ 坂本龍一 音楽の学校 古典派編第1回

昨日から始まったスコラの第2シーズン。録画して今しがた見たが、やっぱり今回も面白い。ゲストはバッハ編同様、浅田彰小沼純一岡田暁生という面子で音楽の構造と時代背景、そのもたらす意味といった観点でロジカルに斬り込んでいく。しかも分かりやすくて非常にためになる。

冒頭の150年で時代を分けていくアプローチは凄かった。バッハの時代がバロックでその死後が丁度古典派の150年にあたり、その終焉が1900年でそこから20世紀なんて計ったように面白い。

バッハが両手で各々旋律を奏でるのに対してモーツァルトでは「伴奏」という概念が出てきてそこでは市民社会の勃興がある。ベートーヴェンではソナタ形式という形で異なるフレーズの対話が出てくる。それは異なる意見・価値観の並立であり、絶対王政の神にすべてを委ねる安定感があった時代には出現し得ない手法である、なんざこうして説明されないと一生理解しなかっただろう。視点がクリアだなあ。

「クラッシック」というくくりでひとまとめに語られるものが実はこの150年の間の音楽が核で、その後1900年代のものが現代音楽である、という話(少し理解が違っているかもしれないが・・)もなるほどと思わせる。クラッシックというのは分けられるのか・・。歴史の勉強は掘り下げていくと面白いよなあ。文化と不可分なんだもの。このあたりを全部理解した上で更に新しい音楽を創っていくなんて、やはり頭のいい人の所作だ。その積み重ねが今に至っている訳で、そいつが後付けで資産と呼ばれるものになっていくのね、等と思いながら堪能していました。

今年の年末にかけて番組が続くので非常に楽しみだ。大滝詠一の参戦はさすがにないようだが「ロックへの道」も心待ちにしよう。

そして本日はYMOのサンフランシスコ公演もWOWOWで無料放送・・。