青山陽一『Blues For Tomato』

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名盤は1曲目からいい。

青山陽一5年ぶり待望の新作は期待に違わず最高傑作となっている。冒頭の『炎とは何のことか』で千ヶ崎学のベースが唸る。強烈なグルーヴでここ5年間のライブハウスでの活動が凝縮された音像。実際にはBM'sとして中原由貴と伊藤隆博の3人でプレイしていることが多いが、09年のシングルでも強烈に飛ばしていたグルーヴが最高の形で完成している印象を受ける。

 

何でも今回は過去の未発表曲も引っ張りだして再演したそうで、何とそのネタ元がこいつも名盤の『Bugcity』からだそうだ。そりゃあいいに決まっている。とはいえ今のグルーヴでの再演なので完全にリニューアル、バージョン・アップされていることは想像に難くない。それにしてもギターが鳴っている。元々その技術に定評はあるがここへきて爆発してきているような気がする。

名盤には捨て曲がないが、こいつもまさにそう。全編陶酔の嵐。やってくれましたね。『Life Is Very Short』なんか終わるのがもったいないグルーヴだ。ああ、何年ぶりだろう、こんなに興奮するのは。録音は2日間で12曲分録ってしまったそうだが、その勢いが全面に出てきている。これはライブを繰り返していないとできない芸当で昨今のムーンライダーズの好調にも言えることだ。5年間の活動は伊達じゃなかった。待っててよかった。今回はプロモーションもきちっとされているし。ちゃんとDVD-R付きで買いましたよ。売れるといいなあ。

『Cloudy Hazy』も最高。ここではファンクを感じる。2011年に来て最大のピークを迎えているというのは何ということか。震災後とか関係ないな、これは。そんなことは名盤には無関係でいいものはいいのだ。