09年リリース。CKBは久々に手にしたがやっぱり鉄板。今回も76分のフル・ボリュームだ。毎回2枚組クラスの物量でサービス満点だ。このアルバムはユニバーサルに移籍しての初アルバムでちっとも変わらないが少し分かりやすくなっているような懐かしいような。いずれにしろクオリティの保ち方は半端ではない。たいしたもんだ。
「未来のその先にあるのは懐かしい情景かもしれない」
「何十年前に作られた音楽でも、フレッシュな感銘を与えてくれるならそれが未来だ」
前者が横山剣、後者が中村とうようの言葉だ。『SOUL通信』から始まる第2部で奏でられる音はそうした懐かしい未来を感じさせる。このアルバムはジングルを挟んで3部構成となっているが、第2部はノスタルジーと未来主義が混じったメッセージのようなものだ。普通に聴いていたら流してしまうようなさりげなさに込める哲学は味わうのに時間がかかりそうな深さを讃えていて繰り返し聴くのが楽しみになる。『DUET』で一度終わるかと思わせてブレイク後に間髪入れず再演した瞬間にはハッとさせられた。
第3部は器楽パート。こいつもカッコいい!短命に終わったビブラストーンの因子をしっかり引き継ぐグルーヴで聴いていて気持ちがいい。ホーンが入るとやっぱりいいね。そういえば最近流行っている「いいね!」は元々CKBのトレードマークだった。定番のギターヒーローズばりの演奏が終了するとジャジーな『山の音』へ。展開が多彩で目眩がする。
ラストは冒頭の『VIVA女性』とどちらにするか迷ったという『俺の夢』へ。ああ、こう来るのか・・。確かに『まっぴらロック』路線だ。何という庶民性と幅の広さ。