バングルス『Sweetheart of The Sun』

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バングルスのスザンナ・ホフスとマシュー・スウィートは2作程カバー・アルバムを共作しているが、その活動が見事に実ったバングルス8年ぶりの新作。昨日聴いたマシューの新作がイマイチだったので少し不安だったが、それを吹き飛ばす傑作。抑制されたポップさがとても心地いい。

プロデューサーで音楽を聴くことを始めて随分経つが、こいつもその成功例だ。マシュー・スウィートがいい曲が書けなくなった分こうした活動にシフトした方がいい音楽家になれるのではないか。音の選び方や配置の仕方が真っ当でツボをついている。ミュージック・マガジンの輸入盤評では録音の技術に賛辞が贈られていたが、それ以前に曲がいい。その上でそいつを引き立たせるプロダクションがパッケージとして綺麗に成り立っている。最近こうしたまっとうな作品が少ないからかえって目立つよなあ。

 

『Sweet And Tender Romance』なんて往年のマシューのギターサウンドだし、続く『Lay Yourself Down』の良さといったら・・。こうしたリフの上手な使い方がマシュー節だったんだよ。ドラムのタメもいい。コーラスの使い方もうまいな。どうしたマシュー!何故自分のアルバムでそれをやらない!恐らくスザンナ・ホフスのポップさが二人の共演でも牽引役となっているんだろう。それを改めて認識するいい機会にもなった。バングルスは『Manic Monday』くらいしか知らなかったが侮れないなあ。最後はナッズの『Open My Eyes』のカバーだ。泣かせる演出じゃあないですか。

と思ったらボーナストラックで『Through Your Eyes』の別バージョンが入っていた。この辺はフリート・フォクシーズみたいだな。これと『What A Life』の別バージョン入りがBARNES&NOBLEの限定盤。どうも通常盤と曲順も違うようだ。楽しいですね。