スコラ 坂本龍一 音楽の学校 ロックへの道編第2回

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「エルヴィス以前には何もなかった」というジョン・レノンの言葉が引用されていた。シンプルにいい言葉を残している。考えてみると自分はビートルズ以前の音楽を聴いてこなかった。自分にとって必要がなかったからだ。ということで今回何を聴きながら書こうかなと思って考えていたらこれがあった。ということでジョン・レノンの『ロックン・ロール』を聴きながらこれを書いています。

ロックへの道の第2回はエルヴィス・プレスリー。途中『監獄ロック』を参加各アマチュア・バンドが演奏するシーンがあったが、リズムの「跳ね」を指導する坂本龍一の姿はまるでバンドをプロデュースするかのようだった。先日たまたま見た白井良明のプロデュース現場シーンにも似たその振る舞いは恐らく現場でもこうして指導しているんだろうと思わせる姿だった。

最初にエルヴィスの曲を聴いて即座にブルー・ノートの音階について解説するあたりはならではの演出だ。音や歴史に既視感がある分、構造について触れるくだりがあるとこれまでのクラッシックシリーズにも似たロジカルな場面に遭遇するかのようで一瞬目を見張る。一瞬だが。

もうひとつは地理的な側面。メンフィスの位置どりとルート66のニューオーリンズからシカゴを繋ぐ地理的要素がメンフィス、ミシシッピといった融合地点を生み出してそこからロックンロールが出てきたという話が面白かった。「エルヴィスは必然だったんですね」という坂本龍一の発言が今回の肝だったんだろうと思った。

最後のエルヴィスの68年(自分が生まれた年!)の映像はやはり艶っぽくてカッコいい。