ムーンライダーズ『Ciao!』

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活動休止前の恐らく実質的なラスト・アルバム。前作の絶好調を継承してポップで混沌とした重厚な作品に仕上がっている。印象としては『Don't Trust Over 30』のような感触を覚えた。

その理由は武川雅寛の曲がやけにいい出来だということと、心持ち暗い感じがする重さを持ち合わせていること。そういえばどちらも活動休止前の作品だったな。バランスよく各メンバーの曲が収録されているのも似ている。基本的にメロディはキャッチーなものが多いが、様々な音響効果が被されていいて相変わらずボーカルは聞き取りにくい。それにしてもよくこの年齢でここまでの作品を作るものだ。やっぱり絶好調なんだと思うのでつくづく活動休止が惜しい。

一応ルーフトップの抽選にエントリーすべくタワレコの新宿店で購入したが見事に外れ!普通の箱にピンポン玉が入れてあって、「黄色かオレンジが出たら当たりです」みたいな店員さんのコメント。引いたのは見事に白。運試しだったがやはりくじ運は悪い。最後の最後に縁がなかったということか・・。まあこれもまた運命でしょう。30日にいそいそ新宿まで出かけていったら何を言われるか・・。厳しいところだ。

エヴァーグリーンな魅力を持った作品だ。すぐ響くというよりジワッと効いてくる魅力を携えているのはこれまでと同じ。スルメみたいに楽しむのがライダーズだもんね。諸手をあげてすぐ魅力を振りかざすのは彼等の美学にも反するはず。それにしてもここへ来てイベント三昧とは何てサービス過剰なおじさん達なんだろう。尊敬します。