スコラ 坂本龍一 音楽の学校 ロックへの道編第4回

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今回で最終回。色々なものがこの年末で終わっていく。

冒頭は日本のロックの変遷を追っていくのかと思ったが、やはり想像通り『ビハインド・ザ・マスク』の解説に終始した。しかしこれはロック畑から出てきていない坂本龍一のロックに対する「客観性」が前面に出た内容だと思う。すなわち自ら直感で作った曲がロック的と捉えられた謎を長年考え続けてきた結果辿り着きつつある仮説を検証していくことでロックのある要素をあぶり出していくようなもの。

キース・リチャーズのリフに例えて「ギターで実は弾きやすいフレーズなんだよね」と語る。あまり指を動かさずに平行移動させるコード進行はビートルズの『ブラックバード』や『マザー・ネイチャーズ・サン』を弾いていても分かるが、確かにそういうことだな。

今回のシリーズの肝はこの「リフ」の構造に尽きるな。歴史をエピソードレベルで語っていくのではなくてあくまで音楽の構造から語っていくのがならではの試み。こうして観ると「日本のロック論争」なんていうチープな議論に終止符を数学的に打っていくことができてとても爽快だ。しめっぽいもんね、言葉の世界は。