Yellow Magic Orchestra『Live in San Francisco 2011』

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昨年のサンフランシスコLive。『Technodon Live』からは18年近くが経っている。

再結成以降のYMOはリラックスしてまるで趣味のように音楽を奏でている。キース・リチャーズが「趣味が仕事になってラッキーだった」といった趣旨の発言を以前していたが、YMOの3人にとって活動初期はまだしも全盛期はほとんど活動はタスクとしてこなしていただろう。そこに欲望もあるし虚栄心もあったと思う。しかし、老化した今、そんなものはなく、純粋に趣味として音楽を楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。それを見た観客には国内外含め80年代で意識が止まったままの人も恐らくいるんだと思う。実際「懐かしい」といった感覚や全盛期との比較で物思いにふけるといった感じがないと言ったら嘘だが、要は「熱狂」という奴が阿呆らしいと思う訳だ。

自然に出している音を自然に受け入れて時代の移り変わりを感じる。それが30年以上活動するグループの醍醐味なんだと思う。

ハイライトはやはり『Seoul Music』と『Gradated Gray』だな。観客が偶然リクエストしたというエピソードも微笑ましい。サンフランシスコは1回だけ仕事の合間に行ったことがあるが、とても変わった、しかも意外と狭い町で、坂の多い不思議な空間だった。アメリカ人にとっても観光地のようで、ほんとに全米から人が集まっている。そこでYMOの強烈なマニア達が集結したんだな。

クラフトワークも復活してるし、ここしばらく、もう少し楽しませてもらえそうだ。いい時代ですよね、本当に。こればっかりですけど。