フランク・ザッパ『FZ:OZ』Disc 2

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それにしても流れるようにノンストップで演奏が続いていく。これを快感と呼ばずしてどう表現すれば良いだろう。

噂の『カイザー・ロール』はマスターテープ欠落分を別音源から拾って補っているため一部音質が極端に劣化する。こいつが後期ザッパの真骨頂で、異なる音源のライブを繋ぎ合わせて一曲に仕立て上げるというまるで裁縫のような離れ業を連発していた。大量のライブ音源を所蔵しているという話は存命中もよく聞かれたことではあるが、それがバンドメンバーを雇うための経済性確保の施策であったという事実はビジネスマンとしてのザッパの賢明な所作を思わせ興味深い。

ギターマスターとしてのザッパに心酔するものとして、70年代中期の作品は外せないが、『キャロライナ・ハードコア・エクスタシー』のギターソロは『ボンゴ・フューリー』の必殺ソロに比べると若干見劣りする。やはりあの抑制の効いたソロの快楽性には敵うまい。

つっても『チャンガの復讐』『ズート・アリュアーズ』と続く延々とソロが鳴り響く曲群はまるでジャズを聴いているかのようで、ほんとに多彩な、その場にいたら失神しそうな、よく演奏続くなあ、凄いなあ、と感心せざるを得ない強烈なステージ。何と『シップ・アホイ』のソロは『ズート・アリュアーズ』の後半部だったのか!何という新発見。

しかし76年当時自分は8歳な訳だから来日公演は行けるはずもないが、それでも『Eyes of Osaka』で聴ける演奏を思い出すにつけ残念でならない。70年代の音源はやはり聴き逃せないですよね。お腹一杯です。ドラムかっこいいなあ、何度も言うけど。