ハービー・ハンコック『Headhunters』

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ハービー・ハンコックといえば我々の世代では『ロックイット』な訳ですが、エレクトリックマイルスの流れでずっと気になっていたこの74年リリースのアルバム、先日観たミュージックエアでのライブ(ミュージックラーデン出演時のものですね)で良さを確信して探していたところに目に入りました。なるほど、普通にファンキーですね。

そのものずばり『スライ』という曲がある通り、当時のジャズ界隈ではスライ&ザ・ファミリー・ストーンをはじめとしたファンクの影響が色濃く出ていて、『ピッチェズ・ブリュー』を筆頭にロックの耳でも聴けるジャズが広がっていった時期でもあります。マイルスより若干聴きやすい印象があるのはエレピの音が主体だからでしょうか。フュージョンまで行ってしまうと甘過ぎて苦手な世界観になるんですが、ここでの音はソリッドで心地良いグルーヴに留まっているように思います。何かヒットもしたアルバムのようですが、当時の映像を観るとスティービー・ワンダーの映像とあまり差がなく見えるのが不思議です。

快感を覚えるグルーヴまで行ってるかというとやはりマイルスには及ばない気がするんですが、その辺はポップスの志向が自然と身に付いているんでしょうか。さて、ここからウェザー・リポートに行くかどうかが問題なんですね。

おおっ、と思ったのはやはり『スライ』でした。転調とか隙間がいいね。エレピのソロが続くところなんかピチカート・ファイヴのようです。源流はこの辺だよなあ確実に。