ワールド・パーティー『Arkeology』disc 3

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3枚目。このディスクにはライブが沢山入っています。その前にまずはビートルズの『ディア・プルーデンス』のカバーですね。気軽に歌ってますが、やはりワールド・パーティーを聴いてるとビートルズの匂いがプンプンします。それも特にジョン・レノン。風貌も似ている感じですが、結果的に声もそれっぽくてそれがこうした直接的なオマージュに結びついているのは「やはり」と思わせるものがあります。

でも『ライク・ア・ローリング・ストーン』なんかもやってるんですね。こちらはライブですが。いわゆる正統派の系譜。ポップスとして王道を行きながらキリッと捻くれる。その振る舞いは今時すっかり廃れてしまったように思います。

それにしてもライブの時期は結構まちまちなんですが聴いた印象は一貫していますね。90年代が多いんですが、この時期は自分も身の置き所がなくて悶々としていましたので、ワールド・パーティージェリーフィッシュを知って身を浸すのが救いでした。福島までは渋谷系の波は来なかった。直接接して没頭したかどうかは別ですが、その背後にある膨大な元ネタ、あるいはクラブ文化には接することが出来ませんでした。それでこうした先達の影響下にある二次的ポップスに身を浸すしかなかったんですね。どこか物足りない。でも今聴くといい曲なんですよ結構。フェイクに苛立つ日々は過ぎましたね、自分の中では。素直にいいものはいいんです。

それでこれが2000年代になっても変わらないんですよ、テイストが。たまにしか作品を出さないアーティストでしたが、ミュージック・マガジンでは「まるでたまに届く古い友人からの手紙のようだ」と評されていました。まさにそんな感じです。