YMO『アフター・サーヴィス』

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ずっと買い直さずにいた散開コンサートのライブ盤ですが、この度中古10%引きに惹かれて遂に手にしてしまいました。YMOのライブ盤は余り熱心に聴かないこともあり、これと『パブリック・プレッシャー』そして一時期出た本人達未公認のライブBOXなんかは持っていませんでしたが、『アフター・サーヴィス』はたまにアナログで聴いていたり、また先日『プロパガンダ』も観たということもあり、あらためて買い直した訳です。

今聴くと音的には『浮気なぼくら』コンサートみたいな感じで収録曲もそんな感じですね。確かコンプリート盤が別にあるはずですが、公式盤だけみてみると慎重に『サーヴィス』収録曲が外されていてビジネス上の思惑を感じさせます。しかし約30年前ですよ。恐ろしいですね。音だけ聴いてるとそんな感じもしないんですが、気の遠くなる昔ですよね。


実は丁度坂本龍一サウンドストリート83年末の回を聴いていたので、何となくタイミングはよかったかな。当日はYMOの3人とデヴィッド・パーマー、ピーター・バラカンが出演しています。

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マッドネスとかホール&オーツコシミハルアート・オブ・ノイズなんかがかかって時代を感じさせますね。80年代初頭ってやっぱりこんな音が溢れていたんだよなあ。そりゃあ『アフター・サーヴィス』もあんな音になりますよ。「FM解散式」と銘打ったこの番組はまだライブツアー中に収録されたもののようで、楽しそうに活動している様子が伝わってきます。最後のお仕事、といった感じですね。時期も師走だし。会話の中でアフター・サーヴィスという単語が出てきますが、もしかしたらこの辺がタイトルのきっかけかもしれません。自分は当時年末のNHKの特番を観て満足したような記憶がありますが、このサウンドストリートNHK-FMなので最後にその予告があったりもします。

で、『アフター・サーヴィス』の方に戻ると、やっぱり何度も聴くような代物でもないような気がします。懐かしいだけで陰影がない。歌謡路線の過剰サービスでモニュメントとしての価値よりワーカホリックの成果というか、本人達も楽しんだお祭りのようなもの。『サーヴィス』でのAOR路線を使ってもう少し渋くも出来たんじゃないかと思いますが、ライブでかつこの頃はテープを駆使した比較的楽な演奏が確立されてきた時期でもあったようですから、エンタテインメントとして提示する以上の意味なんて最早持たせなくてもいいと考えていた節があります。YMOは『テクノデリック』で終わっていたんですね。

となると今の再々結成はどう考えるか。やっぱり趣味趣味音楽でしょう。念願の生演奏主体ライブもやれてるし、夏のイベントは恒例化するし、ということで今後健康状態に問題がなければしばらく淡々と続く。もう活動当時のようにファンを裏切り続ける気力もないと思うんで、これでいいのかな、と思います。

何て思っていると何かがあるかもしれないので、一応裏切りを期待しましょう。そこが革新性というものですもんね。