レイハラカミ『レッド・カーブ』

f:id:tyunne:20181024211756j:plain

レイハラカミは会社の後輩に教えてもらって『lust』を聴いたのが最初ですが、これはその前の01年に出ていた作品です。その後yanokamiでメジャーシーンに顔を出し始めて急逝してしまった才能ある方ですが、この作品でも才気溢れる音を並べていてさすがだなと思わせます。

一瞬『B2UNIT』のような印象も持ちましたが、やはり強烈なオリジナリティと特殊なビート感覚に静かにやられっぱなしで、とても凡人ではついていけないような、それでいてとっつきやすくもあるような不思議な魅力を持った音楽です。この作品では比較的ポップな感覚が全面を覆っていて、『lust』やyanokamiでみられるある種ワンパターンな感覚はまだ影を潜めている。それにしたってどう考えても天才肌な楽曲群は耳を捕らえて離さない。電子音楽できちんとビートもあってここまでの高みに達している音楽はそうそうなかったのでは?エレクトロニカのノイズがある訳でもなく、ひたすらに温かい音で紡がれた他に類を見ないアーティストだと思います。亡くなったのが非常に残念ですね。

『cape』『wrest』『red curb』あたりの流れで完全にノックアウトで既に傑作と断言できる。これまで聴けてなかったことを後悔します。『2 creams』もいいね!