The Beatles In Mono『With The Beatles』

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ということで2枚目に行く訳ですが、まるでラジオから聴こえてくるようですね。前回も書いたように「モノラルは音が押してくる」と評している方の見方はちと大袈裟で、実際は心地良さの方が勝っているように思います。要は音が小さめなんですね。

エコーがあまりかかっていない、というのは確かにそうで、これが本来のジョージ・マーティンが届けたかった音だ、というのは要するに「生っぽさ」なんだろうと思います。ライブの躍動感をそのまま届けたい、という気持ちは分かりますがそのためにはバランスをとらずにもう少し荒っぽく録ってもよかったんじゃないかと思います。と、詳しくもないのに書いたりして・・。

モノラルのブランド化はビートルズがいなかったら起こらなかった事象でしょうが、ここで鳴り響くのはバランスです。インパクトというより快適さ。落ち着きといいますか、安定感がありますね。そもそも左右に強引に振り分けたミックスが特殊なんですが、昔のレコードはそういうもの、という間違った固定観念が植え付けられてしまった世界に待ったをかける作品です。でも今となってはそれはボックスセットでマニア向けにリリースせざるを得ない。で、受け入れる方はどうかというと一生懸命勉強するしかないんですね。

という訳で現時点ではモノラル音による驚きはまだないのが正直なところです。