The Beatles In Mono『Revolver』

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化け物に変身したビートルズの66年作品。まず冒頭の『Taxman』からして少し印象が異なりました。ギターが前面に出てきているので、大分切れ込み方が違う。『And Your Bird Can Sing』なんかもそうですが、全体に音数が多くなってきているのでモノラルでひとつにまとめると渾然一体となった音楽に様変わりしていて各楽器の主張よりも全体で迫ってくる感じがします。迫るというより覆う感じかな。これは『She Said She Said』でも感じたことで、各パートのエッジがとれて全体的に雲の向こうへ行ってしまった感じ。角がとれてその分混沌が増したイメージですね。微妙だけど印象はやはり違う。

『Eleanor Rigby』みたいに左右の振りがなくなってまともになった曲もありますが、大抵の曲は楽器の鳴りのバランスが変わることで印象を異にする。その原因は主にギターの音が前面に出てきていることに起因するように思います。『Doctor Robert』なんかもそうかな。その分ボーカルが引っ込んでより怪しい感じが相対的に出てきているようにも感じます。元々実験作なのでカオティックな印象が出てくることは歓迎ですが、ここでは音の小ささというより詰め込んだ要素の多さがある一定のレンジにギュッと納められることで爆発寸前の花火のように濃厚さが増しているような印象を受けました。

ビートルズで一番好きな鳥肌モノの『Tomorrow Never Knows』はどうかというとやっぱり強い!コンパクトにまとまった分説得力がありますが、逆回転の音が途中で切れていたりするのはちょっと凶暴ですね。スピード感があっていいと思います。でもこれは捏造サイケデリックのステレオ盤の音像も捨て難いかな。色んな音を拾ってる気がするんですよ。

ということで変じゃない定位にありったけの要素を詰め込んだ分生まれた混沌。こちらでも勿論インパクトはあったでしょう。一部の曲は大分印象を変えました。