あるとは思ってなかった21年ぶりの再結成3rdアルバム。
グランドファーザーズとの出会いはムーンライダーズ鈴木兄弟の自主レーベルメトロトロンからのリリースというその一点に尽きます。1stは初々しくて印象的でしたが、その後青山陽一のソロを挟んだ2ndもとても良くて、これまで20年以上愛聴してきました。知る人ぞ知る存在にはなっていますが、青山陽一が息の長い活動を続け、大田譲がその後カーネーションに加入して活躍したことでバンドが伝説化され、あるいは伝説化というキャッチフレーズをプロモーションに使われてここまで来た、という感じです。
内容の方でびっくりしたのは西村哲也の曲が半分を占めるということ。3人でボーカルも分担し合ったりしているので意図的にバンドであることの幸福感を味わっているように思います。そんな中でも『オサラのノクターン』はやっぱり当時の空気を密閉していていい曲ですね。この曲のライブが特典CDRでついてきました。
西村哲也の声はあまり当時から好きではなかったんですが、今の声は結構渋く進化していてなかなか見逃せません。青山陽一の最近の活動に見られるグルーヴィーさはここにはなく、あくまでギターバンドとしてのカントリーテイスト溢れる懐かしいサウンドが響きます。このあたりの暖簾に腕押し的な捉えどころのなさがグランドファーザーズ。3人でまた集まってさぞかし楽しかったんだろうなという雰囲気が伝わってくる好盤です。