ドナルド・フェイゲン『Sunken Condos』

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久々の新作です。これで4作目というのはいかにも寡作ですが、既にこのリリース間隔には慣れてしまいました。むしろ『トリロジー』で3部作完結で、もう新作は出さないのかと思っていたので意外なくらいですね。

よくも悪くも新規性に乏しくて、いつものドナルド節という感じがします。クオリティが安定しているというのは恐ろしいもので、インターバルが何年空いてもテイストが変わらない。あえていうなら多少冒頭がファンキーに響く気がするくらいで、後は一定した音が鳴り続ける。楽曲の印象も聴き込む内にまた再発見がありそうな奥深さで、このあたりも変わらないですね。要するにジャズっぽい感じなんでしょうか。

アイザック・ヘイズのカバーが入っていますが、声がいつもの声なので違和感なく耳に入ってきます。この辺にも驚きはなくて、それでいいとも思います。『モーフ・ザ・キャット』も何となく初回は耳を通り過ぎていく感じでしたが、その辺りの感覚は継続していて、むしろ何年か後に再発見があったりする。今回もそのスルメ加減は同じ。再結成のスティーリー・ダンにもいえますが、インパクトというよりも長く聴き続けられる渋みを備えた作品という感じですね。これでいいのか。いいんです。