強烈にいいアルバムですね。3曲目の『The Free Design』を最初にPVで観た時には余りのカッコよさに震えました。
シカゴ音響派と言われた時代はすっかり過ぎ去りましたが、当時ジョン・マッケンタイア、ジム・オルーク等を迎えて満を持して発表された本作には恐らく本人達も並々ならぬ想いがあったことでしょう。モノクロームというよりセピア色の鋭い彫刻のような音像。フレンチ・ポップのような女性ボーカルとも相俟って不動の地位を今後築くかと思われた絶頂期の作品です。
ステレオラブはここを頂点として既に実質的な活動停止状態。現時点での最新作にもここまでの鋭さは感じられません。それでも本作の評価が揺らぐことはなくて、一見分かりにくい音響派の音楽を優しくカッコよく表現してくれています。