キリンジ『47' 45"』

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この度弟の脱退が決まったキリンジの2nd。キリンジの登場は衝撃的でしたが、1stよりも実はこの2ndの方をよく聴きます。捻り具合が尋常ではないんですね。

冒頭の『Drive me crazy』に始まって名曲『恋の祭典』、強烈なリードシングル『牡牛座ラプソディ』、圧倒的な老成を表現する『ダンボールの宮殿』等、素晴らしい楽曲が目白押しです。1stにあった初々しさは瞬く間に消えて、既に成熟している。この後の『3』ではもうメジャー街道に足を踏み入れていきますので、インディの香りが漂うのはここまでとなります。その匙加減が絶妙なんですね。

キリンジ=兄高樹だと思っていましたが、次作の『エイリアンズ』等を聴くと弟泰行の存在はやはり貴重です。とはいえ今後は兄の意向に沿った活動が継続するようですので、それはそれで楽しみです。この2ndでの圧倒的な完成度一歩手前の感触は繰り返し聴き返すに足る奥行きを持っていて、つくづく侮れないアーティストだとの思いを強くしますね。