ロイ・ウッド『On The Road Again』

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ロイ・ウッドではこれが最高なんです。

前作の『マスタード』、1stの『ボールダーズ』も勿論いいし、ウィザードの一連のシングルやムーヴも最高ですが、何だかんだ言ってこの3rdですよ。近年再発されましたがそれまではアナログで聴きまくっていました。ドラムでジョン・ボーナムが参加しているからではなく、単純に曲がいいんですね。成熟の極みでかつ爽やか。ポップスとしてバランスがとれているとでも言いましょうか。

『Jimmy Lad』『Colorful Lady』『Wings over The Sea』『Dancin' at The Rainbow's End』と名曲揃いですが、何といってもラストの『Way Beyond The Rain』ですね。もう泣けて泣けて。こんな美しい曲を作るのにあの風貌。ギャップの大きい人ですが、いわゆる奇才というやつで一生報われない価値を内包したアーティストという感じがします。渋過ぎる。

ポップな曲を書く人なので70年代はそれなりにヒットチャートも賑わしましたが、実は斜陽気味の70年代後半にこうした名作が残されている。ファンの熱い要望に応えて再発されたこのアルバムこそが金字塔であると一人で盛り上がってはや20年近くが過ぎようとしていますが、もっと認められてもいい人であることは間違いない事実であるとここに記しておきたい。必聴ですね、こいつも。