青木孝明『さようなら、夢』

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青木孝明という人はかつて鈴木博文のメトロトロンレーベルから1stを出していて確か持ってるはずですが、何となく青山陽一と一緒にやっていた捻くれポップという印象がありました。この度グランドファーザーズの復活作と一緒に先日リリースされたこのアルバムは6作目ということ。そんなにアルバム出してたんですね。知りませんでした。

で、前評判通り渋くていいアルバムです。ちょっと雰囲気は先頃リリースされた武川雅寛のソロにも似た円熟味のあるもの。1stにあったような強引な捻くれはなくて自然にかつ独特な音階を繰り広げています。歳をとったのかな。

 

結構真っ当な曲が多い気がしますが、コード感に独特な浮遊があって気持ちがいいです。スロウな曲での少し大袈裟気味な展開も何となく思い出して来ました。うん、確かにこんな感じだったな。『傷ついた翼』を聴きながら書いています。

ビートルズテイストのポップさを携えているのはこの系統の王道ですが、ドラムの音がタメが効いていて音に年輪が刻み込まれています。コンスタントに活動を続けていなければできないこうした感覚は加齢による宝物。大事にしたいものです。機会があれば間の作品も聴いてみようかな。

『君がここにいる』もいいじゃん。