白井良明『portrait of a legend 1972 - 2012』

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傑作!白井良明3作目の新作が出ました。キャリアを総括する多彩なゲストと共に作り上げた楽曲群はどれもポップで、この人の人柄の良さと単にいい曲をかく人として金字塔を打ち立てましたね。

ジャケットの風貌や総決算みたいな振る舞いはまるでブーツィー・コリンズのようです。ここ最近の白井良明の曲は結構メロウなものが多かったんですが、その傾向はそのままに突進力のある楽曲も含めて友人達と一緒に勢いのある、というより余裕も漂わせて自身の活動40周年をきっちり表現しています。何といっても現役感バリバリなのが凄い。

この人の場合、ポップなものに対するこだわりが素晴らしくて、細かい技も含めてツボを心得ています。特に今回は時代と無理に寄り添わずにベーシックにいい曲を歌っているのがいい。これ、最近の傾向ですよね。もっともっと作品を残して欲しいなあ。

しかし、どんなゲストを招いても歌い方が白井良明と同期していて、どっちが本人か分からない瞬間があります。これはアレンジ力が強いからだと思うんですね。アレンジの力にボーカルが引っ張られてしまう。その結果、本人に声が似てしまうんじゃないでしょうか。

ライダーズの『Ciao!』アナログのメドレーに入っていた曲の完成版も入っていてファンサービスもバッチリ。活動休止前のライダーズが異常に元気だったのはやはりこの人の貢献が大きいんだなあ、ということを実感しました。全曲必聴です。