白井良明『City of Love』

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先日中古屋に行ったらびっくりする程ライダーズ関連の作品が置いてありました。恐らくファンの方が大量に処分されたんだと思いますが、今後こうしたことは増えて来るんじゃないかと思っています。自分もそうですが、例えば大量にCDを持っている人が亡くなったりして一気に手持ちのものを処分するケースが増えていくと思うんですね。それにしても恐ろしい品揃えでした。今回新作が出るのでこの88年発表の1stもCDで買い直そうかなと思っていた矢先の出来事でした。

88年というのはライダーズが『Don't Trust Over 30』を出した後に休止期間に入っていた頃で、各メンバーが積極的にソロを出していた時期でもあります。ある意味今と似た状況ですが、そうした中で満を持してリリースされた白井良明の1stソロになります。アナログでは持っていましたが、たまに引っ張り出して聴いていました。しかしはっきり言って1曲目の『City of Love』しか聴いていなかったのも事実。今回久々に全編聴き直すことになります。

音が少し古く聴こえるのは仕方ないとして、当時はハウスミュージックに接近したアルバムとの触れ込みで、その後の『最後の晩餐』にも繋がるテイストです。でもこの人は基本的にポップスの人なので、綺麗なメロディがきっちり表現されています。ただ、この後の『カオスで行こう』もそうだったように結構混沌としている印象はあります。このごった煮感覚が現在では洗練されてより落ち着いた表現に帰結している。確実に白井良明は前進していると思います。