キング・クリムゾン『Red』

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『太陽と戦慄』はその後も通勤中に毎日聴いています。そして緊張感を持って次に臨んだのが黄金期の最後を飾るこの『Red』。表題曲は『Vrooom Vrooom』で聴いてはいたんですが、エヴァンゲリオンに関する対談で宮台真司が触れていた作品だったので、メタル・クリムゾンのレッゾゾーンギリギリの仕事として一度は耳にしないと、と思っておりました。通常盤でもよかったんですが、ボーナス映像があったのでこちらも40周年記念盤です。

第一印象は「意外と聴きやすい」というものでした。冒頭から緊張感漲る3連発、という触れ込みだったんですが自分にはポップに聴こえた。『太陽と戦慄』程の難解さはなくて、その代わりに意外性もない。それはひとえに楽曲の構成のせいではないかと思いますが、それぞれに実はキャッチーなリフが用意されているというのも原因のような気がします。80年代クリムゾンとザッパの一連の作品である程度慣らされた耳には左程違和感なく響いて来るんですね。ヴルーム関連のクリムゾンの方が重く聴こえるなあ。

とはいえ後半はインプロ爆発だし、スピード感のあるパートもある。管楽器が入って来るのもまろやかに聴こえる一因かな。音圧が全体的に押さえ気味なのも要因かもしれません。これはでも好きな人が多いのも分かるな。分かりやすいですもんね。

映像の方はまずフランスにもビートクラブみたいな番組があったことに驚きました。映像効果が過剰なところはそっくりで、2曲目なんかほとんど色が変えられてて残念な絵になっています。とはいえ奇跡的な演奏を記録していて、これは当時ライブを観れた人はさぞ楽しかっただろうなあ、と思わせます。ロバート・フリップ曰く、1969年以来の神がかった演奏、という4人の繰り出す音の映像絵巻は単純に観ていて楽しい。ビートクラブ以外にもこんな映像が残っていたんですね。

ロバート・フリップが妙にカメラ目線で見つめ続けているのも異様に映りましたが、それにしてもこの生ける伝説は仕事人ですね。彼の所作を観ているとこちらも一生懸命仕事をしないといけないなあ、と思わされます。

ということで『Red』も堪能しました。さて、この時期の音源も漁っていきますかね。結局クリムゾンの追体験も40年の時を経て続いていきそうな気がして来ました。