青木孝明『L/C』

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先日中古屋で大量にムーンライダーズ系の作品が在庫されていたことを書きましたが、その際に嬉々として買い占めたのが青木孝明の一連の作品でした。先頃発売されたアルバムを聴いた際に自分が持っている作品を1stと書いたんですが、それは2ndの間違いであることが判明。メトロトロンから『マイ・フレンド・イン・ザ・スカイ』を出す前にインディから1stを出していたんですね。知りませんでした。それがこの作品です。

そしてその後、後追いでメトロトロンからこの1stは再発されています。中古屋ではあまりの嬉しさにすべて買ってしまったので結果的にこのアルバムは2枚持ちになってしまいましたが、ジャケットも違うし音圧も異なりますのでこれはこれでまあよかったのかな、と。再発盤にはボーナストラックも入ってますし。それにしても大量処分した方は相当ライダーズ系の作品をお持ちだったようで、押さえ方が凄まじい。

ということで青木孝明の作品をすべて聴けることになりましたが、この1stはというとこれが既に完成度が高い。鈴木博文が目を付けたのも分かります。最初に青木孝明を聴いた時はその捻くれ具合が若干稚拙な気がしてその後少し遠ざけていたんですが、改めて通勤中等に聴き返してみると結構いいんですね。青山陽一の初期作品も相当聴き返して再評価しましたので、この青木孝明も同じ感じで耳がついて来た感覚です。

リリースは92年、その後再発が00年となっています。本人も全曲解説で書いていますがやはりスミスの影響は大きいですね。ギターポップ系にも響きますが、とはいえ『タンジェリン・マン』みたいな新人離れした楽曲もあり、また全体的にも結構老成した感もあってなかなかに侮れません。その後こうして長く活動している訳ですから最初からある程度完成していたんでしょう。この後聴き進めるのも楽しみです。