キング・クリムゾン『暗黒の世界』

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『太陽と戦慄』と『Red』の間に挟まれた74年リリースの7作目。こちらも冒頭からスピード感があって聴きやすい印象です。やっぱり『太陽と戦慄』が異質だったんですね。

ジェイミー・ミューアが抜けて緊張感が途切れたのか、あるいは全体としてメロウになっていったのか、真実は定かではありませんが確実に分かりやすくなっているのは事実。そもそも自分がクリムゾンに抱いていたイメージが必要以上に難解なものだったのかもしれません。とはいえデヴィッド・クロスが「恐怖とパニック」と表現した通り、この時期の旺盛なライブ活動が与えるインパクトは相当のものだったようで、まさにレッド・ゾーンに向けて突っ走る希有な数年間だったんだろうと想像します。

バイオリンの音色と合わせて静かな佇まいの曲にも大分耳が慣れて来て苦ではなくなってきました。いよいよプログレの世界に突入か。とはいえクラシカルな様式美には向いていないので、慎重に接するつもりではおりますが、とりあえずクリムゾンはきめていこうかな、とささやかな決心をしました。