ムーンライダーズ『The Postwar Babies Show』

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ライダーズ2005年のライブ映像です。こちらは30周年直前の時期。自らのレコード会社を立ち上げた直後で、演奏も「すごい楽しい!」と言っています。確かにこの時期は世紀が変わって以降、再出発にふさわしい作品を連発していた頃で、観ていて非常に爽やかな印象を受けました。

とにかく演奏力が抜群で、ある種ジャムバンドのように楽器演奏に魅せられている様が見受けられます。武川雅寛マンドリンがいい味を出している。この頃に活動休止までの演奏スタイルの基礎は確立されたように見えますね。非常に音が分厚いし、楽器のバリエーションもあって『モダン・ラヴァーズ』みたいな古い曲も見事に蘇っている。

かしぶち哲郎が体調不良で不在だったことを受けて『さすらう青春』や『Moron's Land』といったかしぶち曲が多く取り上げられていますが、『さすらう青春』でメンバーがボーカルをまわす様は微笑ましく映ります。皆愛情たっぷりだなあ。

最後にかしぶち哲郎がゲストのような形で登場して「もう大丈夫!」と一言。これはなかなかに感動的です。当時心配したもんなあ。そしてこの後怒濤の30周年に突入していく訳ですが、そのプレ・イヤーとして活動が乗りに乗っていたのがよく分かるいい作品でした。ここから一気に突っ走ったんですね。しかも渋さを携えながら。いいバンドですね、やっぱり。