スコラ 坂本龍一 音楽の学校 アフリカの音楽編第1回

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今回からは「アフリカの音楽」。どんな感じで行くんだろう、と思いながら観ていました。

まず定義をサハラ以南としたところが明確。その後、同じリズムパターンが各地で見られる話や、ワークショップで基本を「森の音」に見出すアプローチ等が印象に残りました。とはいえ、何といっても「ポリリズム」の話が面白かった。

自分はポリリズムをリズムパターンの繰り返しであると誤解していました。テクノ等でもよくあるリズムのストイックな繰り返しを総体として聴こえてくる恍惚感だと思っていた。でも違うんですね。これは「複数のリズム」という意味で、リズムのズレや異なるリズムを同時に奏でることを指している。要するにアタックが違ったり間隔が違ったりするリズムを組み合わせている訳です。自分が聴いていたのはその結果としてのものであって、実はそこには構造があった。これまでポリリズムを違った意味で使っていました。これは反省せねば。

この「同期させない美学」は結果として複雑であるにも関わらずグルーヴに結実していて、非常に興味深い。なるほど、面白いですねえ。最後のアフリカ音楽と坂本龍一とのピアノのセッションも良かった。ピアノを打楽器的に使うことも多い坂本龍一ですが、ここではメロディも奏でていて、以前のワールド・ミュージック期の音楽より自然に耳に入ってくる印象を受けました。歳を重ねてこうした自然さを手に入れたんですね。素晴らしいと思います。音が優しい。