デヴィッド・ボウイ『Young Americans』

f:id:tyunne:20181027214302j:plain

75年発表のこの作品は一度友人に譲って手放したことがあります。表題曲以外はほとんど聴くことがなく、自分の中では地味な作品だったんですね。

今回改めて聴いてみて、その印象はやはり左程変わりませんでしたが、その表題曲と『Across The Universe』、そしてジョン・レノンとの共作の『Fame』はやっぱりカッコいいなと感じました。『Across The Universe』は勿論ビートルズのカバーですが、デヴィッド・ボウイのようにボーカリストとして解釈し直すタイプのカバーは格別な印象を残します。アレンジとか構成を超えて歌声の力が楽曲を凌駕するんですね。この辺はソウルのアーティストなんかにも言えることで、ダニー・ハサウェイの『What's Goin' On』なんかもそうですが、このアルバムはソウルに寄り添っていった時期の作品でもあるので特にそうした要素が強く出ているのかもしれません。とはいえボウイは声も独特だから、特にソウル色がどうこう、といった問題ではないかな。

『Fame』は単純な曲ですが、この曖昧な感じがいいですね。リズムのカッティングも味があって、鋭いまではいかなくとも閃きみたいなものが隠れている。ジョン・レノンとの邂逅という冠がなくとも充分成立する曲だと改めて感じました。

その他の曲はやっぱり地味だなあ。もう少し聴き込まないと分からないですね。このままで終わってしまうと、今後もずっとデヴィッド・ボウイに関しては中途半端で終わってしまいそうな気がするので、気をつけねばなりません。