スコラ 坂本龍一 音楽の学校 オーケストラ編第2回

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オーケストラ編の第2回は非常に見所の多い内容でした。

まず、社会の歴史との関連で産業革命に触れたパート。それまで弦楽器中心だった構成が鉄鋼加工技術の進化によって管楽器が高度化して旋律を奏でられるようになる。そうすると管楽器の比率が増してきて弦楽器と共に別のパートを演奏する集団として浮上する、という話。技術の進歩で音楽が変わっていくというのはビートルズはっぴいえんどYMOも体験したことですが、それが産業革命期にもオーケストラで起こっていた。これはスリリングな事実ですね。

その後のコメントで「言葉は同時に喋ると訳が分からないけれど、音楽は二つのメロディが同時に存在できて、しかもそこに調和のようなものも生まれる」といった話に繋げていく展開はさすがだと思いました。短いパートですが初っ端から見逃せません。

ワークショップで演奏していたテリー・ライリーの『in C』の演奏も面白かった。様々なフレーズを繰り返してそれぞれ自由なタイミングで次のフレーズに移っていくという構築的な音楽でしたが、これがまるで現代音楽かテクノのようで、しかもライブ性が高い。オーケストラという楽器集団の概念を再構築するような試みが今回のワークショップでは続いていますが、非常に面白かった。音楽も綺麗です。

ラストは『レプリカ』のオーケストラ・バージョンを放送してくれました。短かったのでもう少し観ていたかったですが、なかなかにこれもカッコいい。これ、どこかでフルで放送してくれないかなあ。意外と良かったです。

ということで、今回は非常に濃密な30分でした。オーケストラといっても切り口が鋭いですね。あまり馴染みのない自分にも楽しめる内容になっています。