1stから僅か5ヶ月後にリリースされた88年発表の2nd。このアルバムは1曲目の『ゴング・ショウ』とラストの『夜の煙突』にとどめを刺します。
『夜の煙突』は森高千里もカバーしたカーネーションのナゴムからの1stシングルでもあって、カーネーションの代表曲でもありますが、何といってもこのアルバムでのバージョンは間奏のブレイクの箇所での鳥肌モノのギターがカッコいい。これはいつ聴いても震えが来る素晴らしいブレイクですね。掛け合いのボーカルもカッコいいし、この曲と『ゴング・ショウ』のクオリティが全開していたらこのアルバムはさぞ凄いものになっていたと思います。でも残念ながらそうではない。
原因は何かと考えていましたが、やはり1stとのリリース期間が短いからか、楽曲の作者が各メンバーに分散していることが失礼ながら原因かと思います。直枝政広の楽曲のクオリティはやはり突出していて、他のメンバーの曲はどうしても『DUCK BOAT』の頃のあか抜けなさを脱し切れていない。その辺りのクオリティの不安定さがアルバム全体を散漫な印象にしてしまっています。ここは残念な点。それが次作の『エレキング』で圧倒的に解消されるんですね。
今回聴き直してみて、以外と左右に音が散っていることにも気付きました。意識して聴いていませんでしたが、このアルバムからバンド色が強くなって、ドラムの音も打ち込み主体ではなくなっています。そしてドラムは矢部浩志に替わっている。いよいよここから登場したんですね。
『天国と地獄』で再演される『地球はまわる』も初期バージョンではまだまだの出来で、やはりここは初期ならでは。それでも冒頭に触れた2曲で全体を牽引している。聴いた当時「う～ん」と首をかしげた原因がやっと分かりました。そして3rdを聞いた時の喜びも思い出したところです。
