WORLD HAPPINESS 2013

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結局皆勤賞となってしまった。

YMO不在のため当初は行く予定じゃなかった今回のWORLD HAPPINESSですが、急遽娘と一緒に行くことになってしまいました。でも結果オーライ。YMOも結局出てましたし、意外と粒揃いの一日で楽しめました。とはいえ暑かった!年々疲れが増すような気がするのは気のせいでしょうか・・。

すったもんだで遅刻して会場に着いたのは鈴木慶一の新バンドControversial Sparkが始まってからでした。今回は限定アナログシングルも会場のどこかで売っているはずでしたが、結局は買わずじまい。音の方も実はほとんど印象に残っていません。ライダーズの『I Hate You And I Love You』をやっていたくらいかな、記憶にあるのは。失礼ながらその後の高橋幸宏もほとんどまともに観ていません。暑いんですよ、とにかく。これは先が思いやられる、と思っていた矢先に出てきたのは御大矢野顕子清水ミチコとの共演から始まって『ひとつだけ』で締める構成。いやあ泣きそうになりました。

その後のヒカシューあたりから雲行きが怪しくなり始めました。少し雨もぱらついて雷もなっている。でも日差しがさえぎられて実は快適。嵐を呼ぶような内容の曲もあったからですかね。で、このヒカシューが良かった!巻上公一の操るテルミンの音とタイトな演奏、「おい、鬼太郎!」みたいなメンバー紹介(全部「ピカチュウ!」みたいにメンバー紹介をしていました)、目が覚めましたね。いいバンドだわ、これは。

今回再発見したのはトクマルシューゴかな。存在は知っていましたが意外とヴァリエーション豊かな演奏で、様々な楽器を各メンバーがこなす、ある意味ワールド・ミュージック的な演奏でした。実力派ですね。ヒカシューといいトクマルシューゴといい、ラス前のレキシといい、演奏力が確かなグループが多かったのも今回の特徴でした。延々続くインプロが結構聴かせるんですね、また。

salyu×salyu以降はほとんど必聴ものが続きましたが、何といっても新生キリンジ!今回コトリンゴも加入してフリートウッド・マックみたいな男女混合バンドに生まれ変わったキリンジですが、何とまあ観客の反応が暖かいこと。以前グラノーラ・ボーイズで出演した時とは明らかに違う周囲の反応。キリンジは大分メジャーになったんだな、と痛感しました。演奏の方はまだ兄のボーカルもぎこちないですし、コトリンゴも1曲ボーカルをとったとはいえもっとピアノを弾いてもいいように思いましたが、そこは今後への期待値の大きさが上回ってしまう。新作が楽しみです。

奥田民生はさすがの存在感で、ひとり弾き語りスタイルの姿からはオーラが出ていました。声量がとにかく大きい。大好きな『それはなにかとたずねたら』が聴けただけでも儲けモンでした。レキシの盛り上がりも凄いの一言。サカナクション以来の有望株登場、といった感じですが、これってダンスマンじゃないの?みたいなトークの面白さとソウル風の演奏で観客を鷲掴みにしていました。これは今後売れそうですね。

最後のThe おそ松君ズはいきなりの咲坂・桃内登場によるメンバー紹介から鈴木茂の『花いちもんめ』で始まる強烈なスタートで、その後が小坂忠の『ほうろう』、矢野顕子の『ラーメン食べたい』と畳み掛けるような豪華な構成。もうこれだけで来て良かった、と思いましたが更に告知のなかった細野晴臣登場によるYMOの演奏とスネークマンショーの『ごきげんいかが1,2,3』のエンディング。これは凄いものを観せてもらいました。スネークマンショー生コントも初めて体験しましたが、何といっても小林克也アナーキーぶり!この人は普段は紳士のような振る舞いですが、いざこうした場面となると完全に制御不能な暴力性を出して来るんですね。さすがナンバーワンバンドのバンマスです。

高橋幸宏の還暦ライブが間にあったからこそのこの豪華布陣による壮大な過去の振り返りは、このイベントの希少性を遺憾なく発揮した素晴らしいものでした。まだいけるな、これは。後は自分の体力との勝負ですね、今後は。いいものを観せてもらいました。