スモール・フェイシズ『The Autumn Stone』

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最近通勤中はインターFMバラカン・モーニングばかり聴いているんですが、先日たまたまスモール・フェイシズの『Itchycoo Park』がかかって、ああ、やっぱりいいなあ、と思ってこの編集盤を探していました。

スモール・フェイシズは『Lazy Sunday』をビートクラブで観て、ラストの転調含めて、何とカッコいいんだろう、と思って『オグデン~』を購入していたくらいでほとんど初心者に近いんですが、この編集盤はシングルと未完の作品に収録予定だった曲群を集めたものと聞いていたので絶好かなと思っていたんです。

で、聴いてみたらこれがいいんだ。特に後期の曲がやはり響いてきますが、何といっても今回初聴きの『Tin Soldier』。これ、トッド・ラングレンがカバーしてましたね。オリジナルを初めて聴きましたが、ほとんどそのままじゃん。こいつはカッコいいわ。これはやっぱりハンブル・パイもちゃんと聴かねばなるまい、と思いを新たにしました。

スモール・フェイシズは90年代以降のモッズリバイバルブームで再評価されてきたグループですが、それ以前は自分も含めてフェイシズの前身バンドくらいの知識しかありませんでした。フェイシズといえばやっぱりロッド・スチュワートになってしまう訳で、以前ピーター・バラカンがポッパーズMTVで「何て下手な演奏なんだ、と当時驚いた」とコメントしていたのを思い出します。

でもビートクラブでのスティーヴ・マリオットの激唱ぶりを観て「これはただ者ではない」と思い始めてからはずっと気になる存在でしたし、何より曲がキャッチーでいい感じだった。でも『オグデン~』はやっぱりコンセプトアルバムなので物語性が邪魔をしてあんまり聴き込めずにいたのも事実です。

それがこうしてベスト盤のような形で次から次へとポップ・チューンが並ぶような構成で聴いてみるとやはり印象は違う。端的にいい曲が多いし勢いもあってカッコいいですよね。こいつは聴いといて良かった。このバンドは、というよりスティーヴ・マリオットをもう少し掘り下げてみようと思います。