サケロック『LIFE CYCLE』

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なるほど、こいつがサケロックか。

何となくふざけた感じがしていたのでこれまで耳にしないで来ましたが、金欠にはレンタル、そして3タイトルも在庫があったので思わず手にとって聴いたらこれが非常に良かった。基本インストですが、ふざけたスキャットが入っていて少し邪魔かな。メロディは昨今の星野源そのままなので和むし、演奏力は確か。トロンボーンが旋律を奏でるところもいいですね。

細野晴臣のライブにゲストで飛び入りしていたりワーハピで星野源を目撃していたりと何かと耳に触れる機会はあったんですが、音源をきちんと聴くのは今回初めて。それはいい意味で裏切られました。器楽であることがまず意外だったし、力の抜けた感じに聴こえつつ実はそうではないところもいいと思います。しかしこのノスタルジアは何だろう。

盆踊りのような、それでいて大滝詠一の日本ポップス伝を聴いているかのような昔風の音たち。しかし立ち上がる音像はあくまで現代。それは録音の佇まいが生々しいからですね。息づかいが聴こえて来るような生の音。やはり何だかんだ言ってトロンボーンの存在感は大きい。聴いていて飽きないのは基本メロディアスだからですね。これは各方面から可愛がられるわな。あがた森魚にも少し近い感覚を覚えます。これは借りている場合ではない。とはいえ金はないんですが・・。

HISの『日本の人』ですね、これは。聴いていて分かりました。サケロックというバンド名の元はマーティン・デニーの曲名からだそうだし、フェイバリットは細野晴臣トロピカル三部作だし、といった事実を除いても聴こえてくるメロディがどうしたって『日本の人』です。(と思ったら、しっかりトリビュートアルバムでカバーしてました・・。)

全体を通して、細野晴臣のバンドにも客演している伊藤大地はやはりいいドラマーだなと感じました。