ポール・マッカートニー『NEW』

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木更津行きは台風で中止。おかげで時間が出来たのでポールの新作を買うことが出来ました。

それにしてもジョージ・マーティンの息子やらグリン・ジョンズの息子やら世代を超えた人達との共同作業を難なくこなす生ける伝説っぷり。恐ろしい人です。でもって今回はビートルズフレイヴァー満載というんですから恐れ入ります。会社の人も今度の来日を今から楽しみにしていて、まさにおじさん達の希望の星となっています。励まされますよね、単純に。

音の方は結構果敢に攻めていて、その上基本線を外さない絶妙な作り。ラジオから昨日たまたま流れて来たタイトル曲にはグッと来ました。いいに決まってるなあ、と感じたものですが、きちんと聴くと左程でもないかな。でもポップなので後から効いてきそうです。

日本盤はシークレットトラックを入れて16曲というボリューム。今時シークレットトラックというのもどうかと思いますが、いずれにしろ出血大サービス。YMOがいると日本が元気になりますが、ポールが元気だと世界中が元気になる。それを糧にして本人も活動しているみたいなので、いいサイクルが回っている気がします。長く続けるということはそれだけでいいことはある。そこにクオリティを維持させることはパワーのいることですが、恐らくそれ以前に本人が自然体で周りのパワーを吸収しているんでしょう。70過ぎてこれというのは誠に天晴で、他に類を見ないアーティストに今後もなって行くんでしょう。驚きだわな。真似できない。これが伝説を背負う人の振る舞いか。

全体的には結構ダークな感覚もあって、必ずしも全編ポップではない。前作の『Memory Almost Full』の方が聴きやすかったようにも思います。この辺りは気合いが前のめりかな。ギターの音も結構なっているし、ドラムの音はちょっとハードディスクっぽい感触。ザラッとした感じが少し足りないかもしれません。とはいえ急に転調があったりする目まぐるしい展開もあって飽きさせません。ビートルズ全開と言うのはないかな。あくまでポールの新作だと思います。