ya-to-i『SHADOW SCULPTURE』

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岡田徹山本精一のユニットによる12年ぶりの2nd。いやあ、構築型だなあ。

ボーカルが奥まっていてサウンドアレンジは超ニューウェーヴ。懐かしい音像でもあり、かつ最新型。岡田徹のアレンジは山本精一という個性を前にするとこんなにも鋭くなるのか、と実感します。こんなヒリヒリして尚かつ暖かい音は他にないのでは。

そもそもがこうしたタイプの凝り方というのはある意味前時代的でもあり、最近とんと見かけない音でもあります。80年代にはこういった音は巷に溢れていたと思うんですが、今これをやるというのはやっぱり気恥ずかしいのか忘れてしまったのか、今はもっとオーガニックというか自然派というか、生音をメインに据えた音が主流になっているように思うので、とても爽快に響いてきました。カッコいいですけどね、単純に。

1stは特に手を出さずにいたんですが、こんなにカッコよくてポップならば聴く価値はありそうです。もう少しマイナーな感じかと思っていました。女性アーティストをゲストに迎えていることも聴きやすくなっている原因かもしれないので油断は出来ませんが、逆にこの油断がいいんだよなあ。聴いて驚くから。

2013年に響く音としては余りにも懐かしくてカッコいい、そんなアルバムでした。