フィッシュ『Niagara Falls』disc 3

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最後、3枚目。今日もすきま風が吹いて少し音飛びしましたが構わず聴き進めました。

フィッシュの何が他と違うかというと、やはりピアノの音なんだなと気付きました。単にギターソロだけだと他にも事例はありますが、バックに流麗なキーボードの音が鳴り響いていると一種独特の品のある雰囲気が出てジャムバンドといっても飽きがこない奥深さが生まれるように思います。ギターだけで恍惚にはいたらない。トータルで生み出す空間がゴージャスなんですね。

それにしてもこれ一日で全部やったのかなあ。3時間くらいありますが、このあたりはフィッシュのコンサートでは普通みたいなので大したもんだと思います。それも毎回。ほぼ活動のメインがライブ、ということになるとそりゃあ疲れてくるわな。一度休んだのも合点がいきます。

フィッシュはライブがやりたくて音楽活動を始めたそうですが、スタートが80年代の後半だったので世はブリティッシュ全盛。その中でこうした泥臭い音楽は異質なものだったんだと思います。それでも息長く生き残っているのはライブの高揚感の賜物だと思います。気の赴くままに演奏してそれを毎日繰り返してファンを増やして行く。そこに何かしらのマジックがあった。それはやはり空間構築力だと思います。ほぼ自分のために音楽をやってるんだと思いますが、自分達が楽しんでいるのが観る側に伝わるんでしょうね。

これはやはり一度生で観たいなあ。ROVOなんかでも観ている側がとても気持ち良さそうに体を委ねている風景を見かけますが、フィッシュも同様の感覚で楽しめると思っています。