ゴドリー&クリーム『Ismism』

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ゴドリー&クリームの81年リリース4作目。比較的打ち込み主体のアルバムですが、何といっても『ウェディング・ベルズ』が収録されているのが偉い。この曲はPVが秀逸で、VHSで『ヒストリー・ミックス』を観ていた頃に感動したものです。

冒頭の『スナック・アタック』は当時としては非常に早いラップの導入を行った楽曲。シングルでリリースされたのが81年2月だそうなので、YMOの『BGM』より1ヶ月早い。細野晴臣の『ラップ現象』より早く世に提示したことになりますね。自分は当時ゴドリー&クリームなんて知る由もない中学生でしたから、当然『ラップ現象』で「これは何だ?」と思っていた訳ですが、水面下ではラップが蠢きつつあってその後のヒップホップの攻勢を今や遅しと待っていた。その流れに敏感に反応したアーティストの一角にゴドリー&クリームもいたことになります。

よく言われるようにその曲のBPMを落として3曲目を作っているリミックス的な手法もゴドリー&クリームは早かった。恐らくは81年という段階においてはとても刺激的な内容だったんだと思います。で、今の耳で聴いてどうかというと、比較的やはり地味な印象は否めない。とはいえゴドリー&クリームの作品としてはポップな方かなと思います。何といってもこの前の作品が『フリーズ・フレイム』ですし、そもそもがギズモですから。

実はアナログからの買い直しですが、これでゴドリー&クリームもCDでほぼ揃えてしまいました。後は『ヒストリー・ミックス』をどうするかですね。『Cry』が入ってるからなあ。