坂本龍一『Smoochy』

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大掃除をしていたら本棚から出てきました。昔買ったことは覚えていましたが、余り聴かないので売ろうと思ってしまいっぱなしだったんですね。その位思い入れのない作品でしたが、最近になってピアノ中心の活動になり『美貌の青空』や『Tango』といった曲が再演されるようになって久々に聴いてみるとまあ左程悪くはない。特に『美貌の青空』の摩訶不思議なビートとコードの組み合わせは一種の違和感を持って迫ってくる逸品です。

初回限定盤で特殊ジャケットだったのが災いしてか、取り出しにくさが聴く回数と比例してしまっていて、かつ90年代の不調を象徴するような作品として記憶に残ってしまっていたのが運の尽き。とはいえ環境音との組み合わせやピアノ主体の楽曲等今に通じる要素が散りばめられているのも特徴的。前作が売れなかったことに悩んだ末の作品とあって、よく練られた作品にはなっています。吹っ切れる前の作品として味わうべきかな。